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第38話 彼氏の手料理だからって、美味しいとは限らない

last update publish date: 2026-09-22 15:31:52

第38話 彼氏の手料理だからって、美味しいとは限らない

 俺は料理を甘く見ていた。

 正確には、料理そのものというより。

「オムライスくらいなら、何とかなるだろ」

 と思っていた自分を甘く見ていた。

「お前、今まで何回作ったことある?」

 久我蒼が聞く。

「ゼロ」

「卵焼いたことは?」

「目玉焼きなら」

「チキンライスは?」

「食べたことなら」

「帰れ」

「何でだよ」

「教える側の心折りに来てるだろ」

「初心者講座って言ったのお前だろ」

「初心者にも段階がある」

「最低ラインどこ」

「包丁で玉ねぎ切れる」

「それはできる」

「本当に?」

「多分」

「その多分が怖い」

 土曜日の午後。

 場所は蒼の部屋だった。

 一人暮らし。

 大学から少し離れたアパート。

 キッチンは狭いが、俺の家より料理道具が明らかに充実している。

 フライパンだけで三種類ある。

「何でそんなにあるの」

「用途」

「全部丸いじゃん」

「その時点でお前に料理の説明するの嫌になってきた」

「心狭いな」

「お前が広すぎる」

 俺はエプロンをつけている。

 蒼に渡されたもの。

 無地。

 別に変ではない。

 でも。

「写
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